あけましておめでとうございます!ハチエックスのグエンです。
先日Odenseで開催されたROSCON 2024で、Gazeboの最新機能についてのセッションがありました。今回は、その最新機能とこれからの開発ロードマップをカジュアルにご紹介したいと思います!
目次
Gazeboの概要
Gazeboは、ロボットシミュレーション用のオープンソースソフトウェアで、ロボットの設計やアルゴリズムの開発・テストを仮想環境で行うためのツールです。主に以下の特徴を持ちます。
Gazeboの特徴
高精度な物理シミュレーション: オブジェクト間の衝突や動力学を再現可能。
3D環境: リアルな視覧効果とインタラクティブな3Dモデリング。
プラグイン拡張: カスタムプラグインを利用することで、センサー、アクチュエーター、ロボットの振舞を詳細に制御可能。
ROSとの統合: GazeboはROSと密接に連携し、ロボットソフトウェア開発において重要な役割を果たします。
Gazeboリリースの履歴
リリース名 | シリーズ | リリース時期 | 主な特徴 | 推奨用途 |
Gazebo Classic | Classicシリーズ | 2002年〜2020年頃 | ・一体型アーキテクチャ ・ROS1と連携 ・長年の安定性と実績 | 古いROS1プロジェクトや既存システムの保守 |
Gazebo Citadel | Ignitionシリーズ | 2020年 | ・Ignitionシリーズの初リリース ・モジュール型アーキテクチャ導入 ・新しいAPI設計 | 新規ROS2プロジェクトの試験導入 |
Gazebo Fortress | Ignitionシリーズ | 2021年 | ・安定性向上 ・ マルチプラットフォーム対応の強化 ・より多機能なプラグイン | ROS2プロジェクトでの採用を本格検討 |
Gazebo Garden | Ignitionシリーズ | 2022年 | ・GUI改善 ・リアルタイムシミュレーション性能の強化 ・センサーや環境モデルの追加 | 高精度シミュレーションの開発 |
Gazebo Harmonic | Ignitionシリーズ | 2023年 | ・パフォーマンスの最適化 ・シミュレーション環境の多様性向上 ・ROS2との高度な連携 | 先進的なROS2開発や複雑な環境での実験 |
Gazebo Ionic | Ignitionシリーズ | 2024年 | ・更なる性能向上 ・3Dグラフィックのリアリティ強化 ・プラグインの互換性向上 | 大規模シミュレーションや商用用途 |
Gazebo Ionicの新機能
Gazebo Ionicは、Gazeboの9番目のメジャーリリースで、次のような規模でのシミュレーションに要する最新の能力を広げました。
**GitHubアクション『Setup Gazebo』**の実装 GitHub Actionsを利用してCI環境でのGazeboのセットアップが容易になっています。
Sphinxドキュメントの移行 モバイル対応やライトモード切り替え、SEO改善に注力した新たなドキュメント作成
ROS-Gzローンチファイルの改善 Gazeboやros-gzブリッジの起動がより簡潔な構文で実現。
コンポーザブルノードの実装 ROSの機能を活用してメモリ使用量を削減し、パフォーマンス向上
Gazeboの今後の開発ロードマップ
Qt5からQt6への移行 Gazebo GUIの設計をQt6に移行させる計画が進行中。
gzwebの実装と強化 ウェブブラウザ上でのシミュレーションの可視化。
gz-transportにおけるZenohの搭載 コミュニケーションの機能向上を見込み、Zenohの実装を見込む。
強化学習のサポート Gazeboの強化学習開発用インターフェース改善の計画が進行中。
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